ロクディムりょーちんの「僕が即興芝居で、こだわること。大事にしていること。」#9 『身体を意識して使う』

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『身体を意識して使う』
自分の気の赴くまま、そして衝動の赴くままに動くことは大事なことだと思いますが、
そこからさらに意識して動けることがさらに大切なのではないかと、パフォーマンスをしていて感じています。

今自分が何をしているのか。
どこを向いているのか。
何を持っているのか（無対象として）。

自分の身体が何をしているのかを意識的に感じることができること。
そうできることで、今していることをより実感をもって感じられ、思考に頼らずに相手とこの場にいることができると思うのです。

純さんの本にも乗っていますが、以前キースのワークショップで、
あるプレイヤーが演技している時、
「そのコーヒーはこぼれているよね」
と、無対象での持ち方を見て指摘を受けていました。
コーヒーだからと何気なく持ってしまっていると、何にも気づけない。
でも、見ている人には、明らかにこぼれているように見える。
自分の身体や、体勢や、想像する物がどうなっているのか気づくことができたら、それを使うことができ、そしてお客さんとよりイメージを共有していくことができる。
意識を向けることはだから大切なことだと思うのです。

そして自分や身体に意識を向けていると、
「敢えて」
と、普段取りがちな動きとは変えてパフォーマンスすることも可能になると思います。

敢えて「ここはゆっくりと歩いて始めてみよう」
その動きの中から、
「あ、家族が眠っているから起こさないように入ってきたお父さんなのだな」
と、発見することができ、場面に使うことができる。

また、敢えて「無言でいてみる」
そうすることで、相手に「無言、反応がない」というパスが送られ、
場面に違う刺激が加わる。。。

より興味深いと思うことを意識的に選択してみる。
うまくいくかもしれないし、いかないかもしれない。
でも、意識的に選択することで、「敢えて」自分の手が届かない、自分では想定し切れない、より即興的な方向に進むことができる。そう思うのです。

僕は、うまく行っている時ほど、「壊したく」なっちゃう人で（笑）
「敢えて」やっちゃうことが多々あります。
（細かいことも含めて）
よりリスクが高く、失敗する可能性もあるけど。
でも、それが好きだし、そうすることでより良くなるのならというチョイスができることが大事なのだと思います。
それも相手にとっての刺激として。

そして、僕が意識する上で普段から取り組んでいること。
日常、自分の身体がどう動いているのか意識すること。
意識して歩いてみたり、ストレッチしてみたり。
自分の身体がどう動いているのか、知ること。
そこからスタートすると、場面の中でも自分の身体により意識が向き、それに発見でき、反応できるようになっていけるのだと思います。

『身体を意識して使う』
即興でパフォーマンスする上で、大事なことの一つです。

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