僕は、「アイデア」という言葉を、あまり使わない

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「アイデアを出す」
これ、インプロやってる人たちが、いっぱい煩ってきたことな気がします。
僕も含めて。

アイデアというのは、何かすごいことのような妄想を抱かされ、
自分にないものを求められ、
「こんなことにも気づけるよ」と自分にない世界の凄さを見せられ・・・。

そんなことから、「アイデア」というのは、
何か特殊で、すごいものという幻想を持ってしまったのだと思います。

だから、自分が思ったことは大したことはないこと、
まだ足りないこと。
もっともっとと、思ってしまう。
そんなふうに感じてしまうことが、この「アイデア」という言葉にある気がします。

僕は、アイデアという言葉は使いません。
「アイデア」という言葉には、どこか自分にはないものというニュアンスが含まれている気がしてならないからです。

僕は、「連想」といいます。
具体的にする、掘り下げるということでも、連想だと思ってます。

例えば、シーンで
先生と患者さんがいて、
嬉しいことがあったのに、あまり元気でない患者さんがいる。
「あまり嬉しそうじゃないですね？」
もう、ここから始まるのですよね。

「何かあったんですか？」
って、掘り下げていく。

「いや、何もないですよ」
って答えられたとしても、自分の疑問が消えないなら、さらに突っ込んでく。引っかかっていく。

「・・・確かに、嬉しくない気がしますね」
相手も、自分が思ったことから引っかかって、それがなんだろうって問いかけていく。

自分が思っていることに引っ掛かり続けていく。

なんて。

先に進むこと、何かアイデアを加えていくことが、「善」ではなく、
そこに起きたことに引っ掛かること。食いつくこと。そこを掘り下げていくこと。

今ここに出てきたことは、
「嬉しいことがあったのに、嬉しそうじゃないな」だけです。
そう感じたということだけです。
そこから、自分が思ったことを問いかけて行ったり、自分が思ったことを話していく。

ここに先に言った、外から持ち込む「アイデア」というものが必要だと思えない。
自分が思った、自分にあることを出していくことが大事。
それしかない。
僕はそう思うのです。

具体性とは、勝手にいろいろと付け加えていくことではない。
ケーキを食べるということになったら、何のケーキを食べているか、一つ明確になればいい。
ベイクドチーズケーキでいい。そこから、1ピースに切れているでいい。
そうしたら、演技ができるし、またそこから連想することができる。

あなたから出てくるものに、つまらないは、全くないです。
それを使わないから、つまらなくなる。
外にある、興味深そうなものに手を出すから、面白くなくなる。

そうじゃない。
自分が思ったことを使っていくから、即興は楽しい。
イコール、会話でも、それは楽しい。

自分が思ったこと、思ってること、感じたことは、全て素敵だ。
それを表に出してみる。
もちろん、一人の作業じゃないから、それを伝えた相手が、またそれに対して対応する。
それをやり取りしていく。

それは、限りなくシンプルで、すごく楽なことだと思う。

想定外より、想定内。
自分にあること。この中には、まだまだ想定外よりも途方もないくらい、いろんなことを感じ考えられるものがあることを信じてほしい。
信頼してほしい。

あなたの中にあるものは、とてつもなく、すごいのです。

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